スバル レガシィ▲雪国で高い注目度を誇る4代目スバル レガシィ(2003~2009年生産モデル)。写真はそれぞれスペシャルモデルであるレガシィ ツーリングワゴン(ステーションワゴンタイプ)、B4(セダンタイプ)のブリッツェン6

雪国地方での注目度が高い4代目レガシィ

カーセンサーだけがもっている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。

 

その中で、特に北海道・東北地方で圧倒的な注目度を誇るのがスバル レガシィ(2003~2009年生産モデル)。レガシィツーリングワゴン(ステーションワゴンタイプ)は北海道・東北地方で第1位、レガシィB4(セダンタイプ)は北海道地方で第2位と、雪国での注目度が高い車種ナンバーワンだ。

この記事では購入を検討している人向けに4代目レガシィの概要を説明したあと、実際にオススメグレードを紹介する。
 

歴代最高のレガシィの呼び声高い4代目

スバル レガシィ▲B4(セダンタイプ、写真はブリッツェン6)
スバル レガシィ▲レガシィツーリングワゴン(ステーションワゴンタイプ、写真はブリッツェン6)

レガシィ31年の歴史において、歴代の中で最も人気が高く、車好きから広く支持されているのが4代目。

「ツーリングワゴン」という新しいジャンルを確立し、10万km世界速度記録更新やWRC初勝利などの栄光によりレジェンド的な存在となった初代、2リッター初の280馬力化などで歴代最多の月間販売台数を記録した2代目など、レガシィの中でも名車の誉が高い世代はいくつも挙げられるが、4代目をもって「歴代最高のレガシィ」と評するスバルファンは多い。

筆者の知る限り、かつて所有した人が「もう一度乗りたい」と、現実味を帯びながら再び所望するケースが歴代の中でもっとも多く見られる。

また、若い世代の車好きが憧れるレガシィとしても、4代目はいまだによく注目されている。

スバルの旗艦車種であるレガシィは、伝統的にスバルの最新鋭技術が優先的に採用されてきたが(現在はレヴォーグがその地位を継承)、4代目レガシィは、歴代の中でも特に多くの先進技術が投入されたモデルであり、バリエーションの多彩さでも群を抜く。

メカニズム面での注目ポイントは多岐にわたり、さらには仕様やスペックを超えた「感動性能」の作り込みを目指したこと、日常のあらゆる場面で運転が楽しく感じられ、高性能を自在に操れる喜びが得られることを最大のテーマに掲げて開発されたのだ。

また内外装も運転席に座るだけでも高揚感や充実感が得られ、眺めているだけでもうれしくなるような魅力も追求している。

2003年から2009年まで販売されたので、最も新しい最終型でも11年落ちとなる。

しかし、程度の良い個体なら性能や質感は2020年2月原稿執筆時点でも十分に満足できるレベルにある。また手頃なサイズ感など、それ以降のレガシィが失ったものが残されている世代でもあるので、中古車としても歴代最も魅力的といえるのだ。
 

スバル レガシィ▲オフブラック内装
スバル レガシィ▲アイボリーレザーセレクション(オプション内装)

4代目レガシィの注目点

そんな4代目レガシィの注目点を簡単に振り返ると、以下の項目がトピックとして挙げられる。

・ボディは3ナンバー化しながら、対旧型比で最大100kgもの軽量化
・排気系などが全車とも独立等長等爆化
・スロットルを全車電子制御化
・2ステージツインターボから、ツインスクロール・シングルチタンターボに変更
・スバルの6気筒エンジンとしては初のMT採用
・上級グレードのATを5速化
・上級グレードのMTを6速化
・上級グレード向け四駆システムVTD-AWDを新設計
・NAスポーツグレード2.0Rを設定
・エンジン制御システム「SIドライブ」を採用(後期型)
・運転支援システムSIクルーズを進化させた「アイサイト」を初搭載(最終型)
・2リッターのAWDとしては国内初のCNG(天然ガス)車を設定
・欧州市場向けに水平対向ディーゼルを搭載
・STIの限定コンプリートカーを4モデル設定(「tuned by sti」が3モデルと「S402」)
・テレマティクスサービスG-BOOKを初搭載
・スバル初の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞


他にも、サッシュレスドアの開閉フィールの徹底追求、上級グレードのシャシーパーツのアルミ化など、細かい部分を挙げるとキリがないが、いずれも中古車となった今でも効果的といえるものが多い。

また、4代目は歴代モデルの中でも特に多額の開発予算がかけられたことにより長持ちさせやすく、中古車として見逃せないポイントだ。

EJ型エンジンは低速トルクが増して扱いやすくなり、品質は安定。

古めのスバルのエンジンに多発するエンジンオイル漏れも、この世代からかなり対策が講じられているのも好材料だ。

機関系の消耗パーツはもちろん、内外装パーツもまだ普通に手に入る(ディーラーで新品が注文できる)ものが多く、多少劣化が進んだ個体でも、比較的容易にリフレッシュしやすい点も、中古車としての魅力を際立たせている。
 

スバル レガシィ▲4代目レガシィのインパネ(ツーリングワゴン 2.0i)
スバル レガシィ▲フロントシート
スバル レガシィ▲リアシート
スバル レガシィ▲リアゲートボード&トノカバー

運転好きな人への選択肢はこの3種類

基本的に相場が高めのスバル車の中でも、4代目レガシィは比較的低い相場で安定している。

マニア垂ぜんの6気筒エンジン搭載車も、話題性が高く流通台数が少ないわりには安い。

しかし、最終型のターボエンジン搭載の上級グレードの相場は高めとなっており、将来的にはWRX系のように、突如として相場が高騰する可能性はある。

相場や流通台数、平均的な程度からして、今が最後の買い時になるかもしれないので、気になる人は早めに決断した方が良いだろう。

オススメは、ターボエンジン搭載車と、数字のあとに「R」が付くスポーツグレード。

車好きのユーザーが所有するケースが多く、販売店のスタッフからも愛情を受けやすい傾向なので、整備履歴がしっかりしている個体を見つけやすい。

ぜひオススメしたいのは、セダン、ワゴンともに以下のグレードとなる。
 

◆一番人気のターボユニットを積んだグレード
⇒ 『2.0GT系 』

「スペックB」が付くグレードはサスペンションの仕様がかなり硬派なので、スポーツドライブ好きの人には最適。2006 年5月以降の後期型は比較的しなやかなセッティングになったが、乗り心地を重視したい人はスペックB以外のGTを選んだ方が無難だ。
 

スバル レガシィ▲レガシィツーリングワゴン 2.0GT

▼検索条件

スバル レガシィB4(2003年6月~2009年4月生産モデル)×2.0GT系×全国

▼検索条件

スバル レガシィツーリングワゴン(2003年5月~2009年4月生産モデル)×2.0GT系×全国

◆極上の回転フィールを感じる6気筒搭載車
『3.0R系 』

極上の回転フィールが味わえる6気筒搭載車。MTで乗れば感動もひとしお。マニアからの注目度が高く、流通台数が少ないわりには安いので、買うなら今のうち。やはり「スペックB」はサスペンションがハードになるが、選択肢が少ないのであまり気にしない方が良い。
 

スバル レガシィ▲レガシィツーリングワゴン 3.0R ADA

▼検索条件

スバル レガシィB4(2003年6月~2009年4月生産モデル)×3.0R系×全国

▼検索条件

スバル レガシィツーリングワゴン(2003年5月~2009年4月生産モデル)×3.0R系×全国

◆全域で爽快なNAツインカムユニット搭載の本格スポーツグレード
⇒ 『2.0R系 』

当時レガシィ初であった本格NAスポーツグレード。NAらしい中低速トルクを維持したまま大幅な高回転化と高出力化を実現。MT向けは190馬力を発生。ガソリンはハイオク指定となるので注意。
 

スバル レガシィ▲レガシィツーリングワゴン 2.0R

▼検索条件

スバル レガシィB4(2003年6月~2009年4月生産モデル)×2.0R系×全国

▼検索条件

スバル レガシィツーリングワゴン(2003年5月~2009年4月生産モデル)×2.0R系×全国

一番オススメは2.0R系

そもそも水平対向エンジンは、低次基本次数が小さいことでいわゆるこもり音がすくないことがメリットとして挙げられる。

大容量の吸気キャンバーが設置される独自のレイアウトを生かすことで、濁りのない軽快でリニアなサウンドが生み出されるようになるのだが、4代目レガシィでは、特に2.0R用のユニットでそれが生かされている。アクセルを踏み込んだ際の吸気音は、今乗っても痛快の極みだ。

ターボや6気筒の影に隠れ、中古車市場でも安値で推移していることにも注目したい。

筆者が今、一番欲しい中古レガシィもこの2.0R系。本当はあまり紹介したくなかったが、購入を迷われている読者の一助になればと思いオススメする。
 

▼検索条件

スバル レガシィB4(2003年6月~2009年4月生産モデル)×全国

▼検索条件

スバル レガシィツーリングワゴン(2003年5月~2009年4月生産モデル)×全国
文/マリオ高野、写真/スバル
マリオ高野

ライター

マリオ高野

1973年大阪生まれ。スバル ヴィヴィオを買ったことにより運転の楽しさに目覚め、インプレッサWRXも立て続けに新車で購入(弱冠ハタチ)。新車セールスマン、車両回送員、ダイハツ期間工、自動車雑誌の編集部などを経てフリーライターとなる。27年目のWRXと、GJ3型インプレッサG4 1.6i(5速MT)の2台が愛車の生粋のスバリスト。