車とお金▲せっかく安く車を手に入れても、その後のランニングコストがかさんでしまっては元も子もない。そこで今回は予算50万円で購入できるモデルでも、維持費を節約できそうなオススメモデル3台を紹介

お金のかからないカーライフに最適な物件とは

購入予算は50万円! なおかつ維持費も抑えられる車を今すぐ欲しいユーザーのために“買いの3択”をご紹介。維持費面で優れている軽自動車はもちろん、コンパクトカーとミニバンからも、それぞれとっておきのモデルを選りすぐってみた。

車の維持費と一口に言っても、燃料代から駐車場代、各種税金まで対象となる出費は多い。そう言った意味で、税金が安く、燃費も良い軽自動車は、維持費を抑えたい人にとってはベストなチョイス。

しかし、いくら低燃費の車を選んだとしても、高い購入費用を相殺できるほどの節約効果は期待できない。それくらい、イニシャルコストのインパクトは大きいのだ。

その点、最初から購入予算の上限を50万円に設定し、かつ維持費も節約できる中古車を選べば、これに勝るお得なカーライフの選択肢はないはずだ。

そうしたトータルコスパ優良車の中でも、それほど古さを感じさせず、予算50万円でも納得の1台をちゃちゃっと選べる選択肢のあるモデルを厳選してみた。

ハイブリッド車に比肩する低燃費が魅力
ダイハツ ミライース(初代)

ダイハツ ミライース▲維持費を節約できるモデルの大本命とも言えるのが、2011年9月に登場した初代ダイハツ ミライース。軽自動車ならではの各種税金の安さだけではなく、最近のハイブリッド車にも劣らぬ燃費も魅力だ

「維持費が安い車」といえば、やはり優遇税制の恩恵にあずかれる軽自動車が最強だ。排気量で納税額が決まる自動車税/軽自動車税では、もちろん排気量660ccと小さい軽自動車が年額1万800円で最安。そのひとつ上の区分となる660cc超から1000cc以下になると、年額は倍以上の2万9500円となる。

また、車両重量に応じて課税額が決まる重量税でも、免税対象となるモデルを除けば軽自動車が最も安い。

税金面でのアドバンテージは軽自動車ならどのモデルでも同じだが、さらに燃費の良いモデルをチョイスすることで燃料代も軽くなる。それでいて予算50万円で買えるモデルとなると、まさにトータルコストの安い車界のキング・オブ・キングと言えるだろう。

そんなトータルコスパ最強の1台としてオススメなのが初代のダイハツ ミライースだ。e:S(イース)テクノロジーと名付けられた低燃費技術の採用により、JC08モード燃費は30km/Lオーバー(FF車)を実現。ガソリン車ながら、そんじょそこらのハイブリッド車に引けを取らない低燃費を実現している。

ダイハツ ミライース
ダイハツ ミライース
ダイハツ ミライース▲車速が7km以下を下回るとエンジンを停止させる新「エコアイドル」や、減速時に発生するエネルギーを回生させるエコ発電制御などを採用

中古車流通量は2500台前後と豊富で、そのおよそ半数が予算50万円圏内というのも素晴らしい。しかも、2013年7月までの前期型だけではなく、燃費性能がアップしたそれ以降の後期型も予算50万円で射程圏内に入ってくる。さらに、後期型でも走行距離5万km以下の物件を狙えるという、嬉しいおまけまで付いてくるのだ。

今流行のスーパーハイトワゴンやトールワゴンではないけれど、とにかくイニシャルもランニングもトータルでコストを抑えられる車をちゃちゃっと選びたいなら、初代ミライースはまさに直球ど真ん中のモデル。後期型の低走行車が選べる今のうちにアクションしよう。


ダイハツ ミライース▲環境にもお財布にも優しいミライース。まさに予算50万円以下で狙える「トータルコスパ最強」モデルだろう

▼検索条件

ダイハツ ミライース(初代)×総額50万円以下×全国

50万円でハイブリッド車を手に入れる満足度も加味
ホンダ フィットハイブリッド(初代)

ホンダ フィットハイブリッド▲乗車定員5名の普通車でのコスパ抜群モデルは、2代目フィットがベースのフィットハイブリッドだろう。ガソリンモデルに比べて優れた燃費性能を発揮する

トータルコスパでは、およそ右に出る者が思いつかないほど完璧に近い初代ミライースだが、軽自動車ゆえに乗車定員は4人まで。どうしても5人乗りが必要なら、税金面で有利な軽自動車は諦めざるを得ない。

乗車定員5人が必須条件で、なおかつ予算50万円で維持費の安い車となると、選択肢はかなり絞られてくる。その中でもキラリと光る存在感を放っているのが、初代のホンダ フィットハイブリッドだ。

生産期間は2010年10月~2013年9月のわずか3年。現行型から見て2世代前となる2代目フィットの後期型をベースに、1.3Lエンジン+モーターと1.5Lエンジン+モーターの2タイプのパワートレインを用意。JC08モード燃費では最高26.4km/L(1.3Lエンジン+モーター車)を達成している。

ホンダ フィットハイブリッド▲ハイブリッドモデルのテールランプはクリアタイプのものが採用されるなど、ルックスにおいても差別化が図られている
ホンダ フィットハイブリッド▲ホンダのハイブリッドシステム「Honda IMA」。エンジンが燃料を多く消費する発進・加速時に、モーターがサポートする「パラレル方式」となる
ホンダ フィットハイブリッド▲後席は3人まで乗車可能

同じく予算50万円で狙える2代目フィットの1.3Lエンジン車と比べ、5~6km/L程度燃費が良い他、新車時価格がガソリン車より高かったことも満足度を上げてくれるポイントだ。しかも、1000台前後ある中古車流通量のおよそ3分の1が予算50万円圏内なのも大きな魅力だ。

ガソリン代の節約を最優先するなら、1.3Lエンジン+モーター車をチョイスしよう。2012年4月までの初期モデルなら、走行距離5万km以下の物件も視界に入ってくる。とことん燃費性能にこだわるなら、改良を受けた2012年5月以降のモデルに注目。選択肢は狭まるが条件に合う物件が見つかれば、より高い満足度が得られるはずだ。


ホンダ フィットハイブリッド▲ブルーに統一されたメーター色など、ハイブリッドモデル専用の内装が与えられている
ホンダ フィットハイブリッド▲予算50万円以内で狙えるコスパ抜群のハイブリッドモデルだ

▼検索条件

ホンダ フィットハイブリッド(初代)×総額50万円以下×全国

低予算で狙えるミニバンの大穴的存在
マツダ プレマシー(3代目)

マツダ プレマシー▲予算50万円で狙えるミニバンの中でも、特にコスパが高いと言えるのが3代目マツダ プレマシーだろう

もし、予算50万円でミニバンを探していて、なおかつ維持費をできるだけ抑えたいと考えているなら、その先にはかなり険しい道が待っていると覚悟した方がよいだろう。

予算50万円で買えるミニバンは確かにある。だが、それらの物件は、とても年式が古いか、多走行か、またはその両方の場合がほとんどだ。燃費性能も、初代ミライースはもちろん、初代フィットハイブリッドにすら到底およばないものばかり。

そんな逆風の状況の中ではあるが、少しでも維持費が節約できて満足度も上げられそうな要素をもったモデルを発見した。それが3代目のマツダ プレマシーだ。

2010年7月~2017年12月に生産された3代目は、プレマシーとしては最後のモデルとなる。乗車定員は7人で、後席ドアは両側スライドドアとなる。エンジン排気量は1997~1998ccで、ゆったりサイズなボディながら自動車税は2000cc以下の区分に入るのも◎。また、2WD車には車両重量が1.5t以下のグレードもあるため、自動車重量税も1.5t以下の区分に属する物件を選ぶことも可能だ。

そしてもうひとつ、維持費節約の注目ポイントは独自のアイドリングストップ機構である「i-stop」を採用したグレードが用意されているところだ。「i-stop」採用グレードはミニバンとしては上々の性能と言える14.0km/L(JC08モード燃費)を達成している。

マツダ プレマシー
マツダ プレマシー
マツダ プレマシー▲2列目シートがベンチシートからキャプテンシートにアレンジできるカラクリシート機構を搭載

中古車流通量は全体で400台程度。予算50万円圏内では100台前後まで絞られるため、ちゃちゃっと選ぶにはやや選択肢が少ないかもしれない。さらに「i-stop」が付いていて車両重量が1.5t以下の物件で、なおかつ走行距離も少なめな物件はかなりレアな存在だ。

ただし「i-stop」の条件を外すと、エントリーグレードの20CSが候補に入ってくるため、選択肢の幅は一気に広がってくる。できるだけ早く手に入れたいなら、「i-stop」にこだわらないのも賢い選択だ。


マツダ プレマシー▲一部グレードに搭載されるアイドリングストップ機構「i-stop」。デビュー時は2.0Lクラスの国産ミニバンでトップの燃費性能だった

▼検索条件

マツダ プレマシー(3代目)×総額50万円以下×全国
文/中野剛、写真/Photo AC、奥隅圭之、尾形和美、篠原晃一